どうしよう

世の中に当たり前のように出回っている材料を違う目的で測定してみると、違う目的の用途としてはとんでもない性能を持っていることを発見してしまいました。


こんなことを簡単に紹介したら、簡単に原料が入手できるから、あっという間に広まってしまい弊社のメリットはまったくなくなってしまいます。特許をとるまで隠しておくには時間のロスになってしまいあまりにももったいない気もするし。

こんな時っていったいどうやって進めていけばよいのでしょう。

日本の企業って、大多数はデータだサンプルだっていうことばかりがまかり通って、本当に利益になるかどうかの判断力が欠如しているから、こんな技術を簡単にオープンするのは危険すぎます。かといって、これを安易に海外に移転させるなんて選択肢は絶対にとりたくありません。

もう少し、本当の技術の価値を見極められる能力があって一つの技術を多方面に展開出来る人がたくさん出てくると日本の力も大きく伸びていくと思うんですけどね。

日本の技術屋さん、そろそろ目を覚ましませんか。










新年の第一弾

2018年の最初はちょっとマジックのようなお話です。


今や半導体や電子機器の製造には欠かせないエポキシ樹脂のお話です。

エポキシの王道といえばこれ

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液状のエポキシの代表格です。

これを仕様通り180℃2時間で硬化させると右側のような色づいた樹脂になってしまいます。

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拡大すると

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エポキシ樹脂の優れているところは電子機器の進化の中で証明されていますが、耐熱性が高く、透明性に優れているエポキシは今だ登場していないと言っていいと思います。

しかし、弊社でちょっと手を加えると180℃にさらしても変色しないエポキシが完成しました。

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これであれば工学系の用途にも十分に対応出来ると考えています。

LED周辺の部品だけでなく、ライト周りのレンズカバー等にも十分に対応可能です。

エポキシの新しい一歩を見つけ出す技術者の方のお力になれる素材だと考えています。電子機器だけでなく、自動車関連の技術者の方にもぜひ検討していただきたいと考えています。




熱→電気 変換効果

発電する薄膜を調べているとどうも周辺温度が上昇すると発電量が増えるようです。

これを確認するために下部電極と上部電極をしっかりと張り付けることを試みました。接着剤の中に薄膜の成分を分散させて性能を確認しました。しかし、平板電極では接着する際に接着成分によってガスが発生してしまい、十分な接着が出来ないことが分かりました。
そこで、ガス抜けを助けるために上部電極にメッシュ状の金属を使用しました。
これであれば、しっかりと接着できることが分かりました。
張り付けた状態はこんな感じです。
No1
拡大すると
No2
そして、データをとると
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このように低温から発電機能を発揮し、温度上昇に伴って発電量が増えていました。まだまだ、問題解決は必要ですが、これだけ低温から発電が出来る能力を持っていれば、排熱利用等には最適なツールになるような気がします。
工場内の排熱をもっと上手に利用することを提案できると思います。

プラズマの微生物に対する影響

プラズマの細菌に対する影響は説明してきましたが、微生物に対しても影響を及ぼすのではないかという心配もありました。


そこでミジンコを使った実験を行ってみました。

ミジンコを飼育している水とミジンコを用意しました。

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この水に対してプラズマバブリングを30分実施してみました。

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その結果がこちらです。
死んでしまったミジンコは見当たらずみんな元気に泳いでいました。

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さらにその後も観察を続けてもミジンコは元気でした。

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この実験から水中の細菌やバクテリアに対してはアタックするけれど、ミジンコのような微生物に対しては影響はないようです。
ミジンコはこのあとしっかり生存し子孫を残しています。





発電する薄膜

誘電体膜の性能を上げる開発をやっているなかで、測定値の変化によくわからないデータが出てくるようになりました。

その時に思ったのが、ひょっとしたらこの誘電体膜は発電をしているのではないかということです。そこで、早速試してみることにしました。
薄膜を塗ったアルミ板の上に銅で電極を作って電圧を測定しました。

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さらに電極の密着性を上げようと手で電極を押し付けてみると出力電圧は上昇しました。


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何もないところで起電力がある状況が確認出来ました。
これを実用段階までもっていけば大きな可能性が広がりそうです。






誘電体薄膜

電気を溜められる素材として誘電体が使われています。素材は様々でセラミックであったりアルミであったりタンタル・樹脂フィルムであったりします。さらに最近では電池材料としてのリチウムなんかも有名です。

ただ、もっと安価に誘電体を作ることが出来ないかと開発を進めてきました。
現状ではこんな風に誘電体薄膜が出来ています。


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アルミ板の上に塗布し、乾燥した薄膜です。
右上の赤い丸は静電容量を測定するためにつけた電極です。
この程度の薄膜で電極面積φ6.0mm1.1μFという静電容量を測定できています。
静電容量としては十分な性能ではないでしょうか。
これはコンデンサの一般的な性質を持っていますからもっと薄い膜が形成できれば性能はもっと上がっていきます。
これを利用してコンデンサスーパーキャパシタ等の製品開発は可能性が高いと考えています。
そしてこの誘電体の開発が熱電変換素子の開発につながっていきました。
熱電変換素子の技術については次回で説明します。
ところでこの薄膜の表面もこんな風に撥水性があります。


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これをプラズマを使うのではなくて一瞬にして親水性に変化させる方法も見つけ出しています。その辺はおいおい説明していきます。